楽しく死にたい
無重力のソラで果実っぽさばっかり際立った甘ったるいワインを飲んでいるような人生でございます。
時折、悲しくなります。
でもその悲しみを感じる部分こそが悲しいのだと、思っております。
楽しいことばかりです。
好きなことばかりです。
辛さは程よいスパイスであります。
ただもう、悲しい部分が悲しいということだけが
ただただ
ただただただただただただただ
悲しいのでございます。
去年別れた恋人は塩を嘗めるのが好きでした。
98度のウオッカを煽りながら塩を嘗めていました。
その様はまるで自殺のようでした。
でもとてもとても楽しそうでした。
そうして彼女は雪深い日に飛び出してそのまま消えました。
私もそうしたいのです。
そうして楽しく死にたいのです。
けれど、
雪が降りません。
雪が降りません。
雪が降りません。
雪が降りません。
だから私は今日もこうして甘ったるいワインを飲んでいるのです。