電脳トレモロ

君の囁きに合わせて、僕の電脳が震えた。

ネットで論争することはあんまり意味がない。

id:inujinさんの
僕らはみんな、間違っている。 - 犬だって言いたいことがあるのだ。
を拝読させていただいて思ったことなんかをつらつらと。

僕はブログをずっとやっていなかったので自分の意見をネット上でボッコボコにされた記憶は遠くの彼方なのですが、しかしそれでもぼんやりと思い出しつつまた外野から見てて思ったことも含めて書いてみました。

そもそも前提として叩きたい人がいる。

これは多分、有名な発言者はそういう目に合っているだろう。プロレスでいうところのヒールみたいに出てくるだけでブーイングが沸く。人気商売のプロレスならいざ知らず、純粋に情報発信をしたい人に取っては自宅の便所に落書きされるような不快さだろう。(何だそのたとえ)
まあ中にはその叩きすら面白がってる人もいるけど。そこら辺は情報リテラシー力というか煽り耐性というか、そういった場数をどれだけ踏んでるかと当人のそもそもの素質に影響する気がする。これはリアルの人生経験とは全く別のモノで、だからこそ政治界で上手く立ち回ってきた歴戦のおっさんとかがネットでは炎上したりする。
結局、発言者自体が嫌いだと、その内容がどうであれとりあえず叩かれるのである。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いわけだ。そういう相手には何を言っても意味がないし、その叩きは貴方の発言内容とは別の次元から発生したものだから気にしなくていい。その発言者が貴方好みの絶世の美少女/美少年でリアル直結出来る可能性があるのなら別だけれども。

叩いて優越感に浸りたい人もいる

これも多い。なぜだか知らないけれど議論に勝つことが神から与えられた使命であるかのように他人に議論を吹っかけたがる人がいる。しかもそういう人物は議論に負けることを極度に嫌うので負けても損失の少ない匿名を好む。叩いて勝つことだけを考えているので、議論を吹っかけられた側はひたすら困惑することになる。なぜなら議論の最終地点が「より良い考え」や「より面白い考え」ではなく「俺が言ってることが正しい」なので、そんな相手の意見をマトモに考えても仕方がない。
そしてそういう奴に限って手練手管に長けてるので攻撃された方は、「なに言ってるか分からねーが状態」になる。んでいつの間にか負け認定をされているのである。その一方的さは思春期の男達がするブス認定並みである。
そういったスタンド攻撃を受けた場合は無視するのが得策である。彼らの目的は結論ではなく勝利なのだから。そして幸いなことに無言を彼らは勝利だと思ってくれる。

そもそもネット上の議論は実は意味がない。

それでも極たまに、真剣に議論を吹っかけてくれる人がいる。そういう相手には真摯に答えるのも面白いのだけれど、結局その議論の結果を実践したとしても一緒に考えてくれた相手にフィードバックはされないんだよね。
そもそも議論って何の為にするかと言えば、その結論が影響を及ぼす同士が互いの主張によって生まれる利益を守る為にする行為なんだ。だからネットでの議論はあまり意味がないんだよ。
例えば、「人殺しはサイコー。是非やるべき」って意見が有ったとして、それに反論して実際に自分に取って意味があるのはそのぶっ飛んだ意見をもった人間が同じ町に住んでた、っていうレアケースの場合だけ。
結局、同じ位相にある場合だけが議論の意味を持つんだよ。だからネットで振られた議論に必死に頭をひねるぐらいだったら会社の会議で頭捻った方が十分役に立つ。ネットでの意見はあくまで戯れ言で面白半分の思考実験ぐらいに思っておけばいい。その程度でゆるく楽しむのがいい。


ネットでどれだけ叩かれようとも貴方が現実で培った尊さは否定出来ない。そして、ネットでどれだけ議論に勝っても貴方の現実での尊さは培われない。