電脳トレモロ

君の囁きに合わせて、僕の電脳が震えた。

泥炭の日記

ピート(泥炭)というものがある。

これは有機物が堆積して出来た燃料で、見た目はまあそのまんまで泥みたいだ。
正しく言うと泥ほど水分が多い質感ではなくて、ちょっと湿った堆肥に近い。

石炭が植物の化石だってのは知ってるだろうけれど、泥炭は石炭の成長途中と考えられてる。石炭の子供みたいなものだ。親の石炭に比べると子供の泥炭は燃焼効率が悪い。

だから今日では工業にはほとんど使われていない。

じゃあ、捨てられるだけなのかっていうと、そうでもない。

スコッチウイスキーの香りを左右する重要な素材であったり、

また園芸の際に悪くなった土を良くする為にも使われる。

 

僕がここに書くのはそんな泥炭みたいな文章にしようと思う。

日々を過ごしていて沸いてくる雑多な想いは、徐々に徐々に堆積していく。

その堆積したものを「工業に使えるほどのものじゃないから」と捨てずに、人生の香り付けや精神の土壌改善に使おうってことだ。

じゃあ、なんでわざわざここに書くのかって。

そりゃ作ったウィスキーは人に飲んで欲しいし、育てた花も人に見てもらいたいよね。